無声映画を語る

  • 本日は荏原文化センターにて私立保善高校3年生の芸術鑑賞会を担当いたしました。なので、演台には品川区マークが入っています。事前に『活動写真いまむかし』をご覧いただいていたので、演目は『忍術千一夜』と『キートンのセブン・チャンス』。

    いや~、今回もたいへんな準備となりました。『忍術千一夜』の大正琴弾き語り、1週間前に音楽を最初から考え直す決心をしました。ご常連のお客様が6月のゆめりあホールで本作をご覧いただく際には「え?いつもの感じじゃない?」と思われるかもしれないのですが、紆余曲折を経て、まさに、いつもの感じで“素直に”作り直すことにしたのでした(^^;。 10曲ほど考えたテーマ曲は今回使えませんでしたが、 思い切ってよかったです。4月29日の北海道千歳市公演でも本作を披露いたします。

    「キートンのセブン・チャンス』も細々と修正しましたので、今後も何度も再演したいです。毎回、有名な岩落ちシーンで鳥肌が立ち、風邪ひいたかな?!と思ってしまいます。

    本日、質問コーナーでは高校生の皆さんが相手ということで、進路に関わることは夢物語ではなく、この男の子たちをお家で待つご両親の立場もついつい考えながらの回答になりました。ジャイアンの真似を披露してくれた猛者もいました←そっくりでした!!10クラス分の集合写真にも混ぜていただき(!)たいへん光栄でした。まことにありがとうございました^^

  • 山崎バニラの活弁大絵巻 in ちとせ まであと10日!ポスターもお送りいただきましたので、碧水園の素晴らしいお庭でパチリ。

    4月29日(月・祝)14:00開演(13:30開場)
    ■会場:北ガス文化ホール(千歳市民文化センター)中ホール
    ■演目:『活動写真いまむかし』/『忍術千一夜』大正琴弾き語り/『豪勇ロイド』ピアノ弾き語り

    ■料金(全席自由)
    【前売】一般:2,000円/高校生以下・65歳以上:1,000円/ペア:3,000円
    【当日】一般:2,500円/高校生以下・65歳以上:1,500円
    ■チケット:ローソンチケット 、千歳市民文化センター

    ■主 催・問合せ:千歳市民文化センター TEL:0120-26-1151
    ■映像提供:喜劇映画研究会/株式会社マツダ映画/おもちゃ映画ミュージアム

    8年ぶりの北海道公演ということで『明治期北海道映画史』前川公美夫著を読み直しましたところ、驚きの事実が…!「頗る非常」という決まり文句で各地を巡業し一世を風靡した弁士の駒田好洋は明治31年、すでに北海道の利尻島などにも赴いています。がしかし、このあたりに電気が通ったのはほぼ20年後の大正6~9年頃!ですから、自家発電機を持参しての巡業だったのです…!

    他にも道中、熊に遭遇した話など命がけの駒田好洋巡業隊。そのあくなきエンターテインメント魂と根性に脱帽です。お客様たちは映像が動くだけでさぞや驚いたことでしょう。まだ電気が普及していない中、活動写真を見た人々のワクワク感にも思いをはせつつ、平成最後の「昭和の日」に、明治・大正・昭和の名作をご覧あ~れ~!!

  • 昨日の無声映画観賞会、たくさんのご来場まことにありがとうございました!澤登翠先生、山城秀之弁士と楽屋で記念撮影。私が着ているツーピースは、宮城県白石市の祖父が生前、母に作った着物を母がリメイクしたものです!生地が全く傷んでいません。髪飾りはおなじみ、メイクの渡辺さんに作成していただいたものです♪

    山城秀之弁士の説明による『相撲の妙技』は、出番前できちんと拝聴できなかったのですが、よくもまあ、BGMもない完全無音の中、10分もの記録映画を活弁したものです!まさに活弁の妙技、お見事でした。

    澤登翠先生の説明による『散り行く花』は何度目かの鑑賞だったのですが、昨今の児童虐待事件、民族問題を想起させるもので、澤登先生の確固たる語りとともに、とても胸に迫るものがありました。1919年封切り、ちょうど100年前の映画なのに、まるで最近の事件をうけて作られたかのような作品です。悲しい意味でも、現代に通じる傑作になってしまっています。大きな拍手とともに、終演後の客席にジワーっと余韻が残りました。

    無声映画観賞会は独演会と違い、他の弁士と楽屋でいろいろとお話できるのも貴重な機会です。昨日もあれこれ相談に乗っていただきました。『海の水はなぜからい』、『忍術千一夜』ともに今後は大正琴の弾き語りで十八番になっていきますよう頑張ります。まずは『山崎バニラの活弁大絵巻 in ちとせ』で披露いたしますよ!皆様、北海道へ是非!(と、江東区古石場文化センターで呼び掛けたら、笑われました)

  • 昨年12月から始まった2018年度のJR東日本クルーズトレイン「四季島」冬のコース、碧水園ステージが無事に終了しました。雪景色から季節が移り変わり、梅が満開です。ご乗車くださった皆様、まことにありがとうございました。

    一息つく間もなく、明日3月25日18:30~は第728回無声映画観賞会、江東区古石場文化センターにて。「娯楽忍術映画から映画史上の名作まで活動写真バラエティⅡ」と題しまして、本当に様々なジャンルの無声映画、弁士が登場します。

    個人的に非常に気になるのが山城秀之弁士の説明による記録映画『相撲の妙技』。続いて私が務めますのが、切り紙のシュールな漫画映画『海の水はなぜからい』と特撮時代劇『忍術千一夜』。そして澤登翠先生の名調子とともにトリを飾りますのが悲劇の傑作『散り行く花』。リリアン・ギッシュの可憐さをお見逃しなく!!

  • 4月19日(金)より新宿ピカデリー他全国順次ロードショー『僕たちのラストステージ』。無声映画からトーキーにかけて大人気だったローレル&ハーディの伝記映画とあって、喜び勇んでマスコミ試写初日に参上いたしましたら、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんと緒川たまきさんご夫妻もいらっしゃっていたので、ちゃっかり記念撮影をお願いしました。Photo by 喜劇映画研究会・新野敏也会長。

    大人気と書いたばかりですが、物語は人気が下り坂になった二人を描きます。無声映画時代の二人しか知らなかった私はヒョウヒョウとすごいことやってのけるコメディアンの素の部分をしんみり鑑賞しました。太っているオリバーが腰痛に悩まされていたのは、すごく痛そうなネタの数々を思い出し、「そりゃ、腰痛くなりますよ…」と妙に納得でした。そしていつかやってくる自分のラストステージはどんな風になるのだろう?と初めて思いを馳せました。

    人気絶頂期の回想シーンはトーキー時代だったのですが、無声映画時代はさらに“とんがった”笑いを追求しています。『僕たちのラストステージ』をご覧になると、ローレル&ハーディについてもっともっと詳しく知りたくなると思いますので、私もいつかローレル&ハーディ作品を活弁したいと思っております。いや、きっとします。なので是非『僕たちのラストステージ』をご覧いただき、お二人について予習してください☆

    新野さんのブログに素晴らしい熱量で、本作について連載されています。「映画界」における《ボケとツッコミ》の始祖であるローレル&ハーディ、そして伝記映画の見どころについてネタバレなしの解説。とはいえ予備知識なしで観に行っても大いに楽しめる本作は、是非とも多くの方にご覧いただきたい名作です。
    (ブログをさかのぼっていただきますとお気づきかと思いますが、喜劇映画研究会の初代会長がケラリーノ・サンドロヴィッチさんだったのです。この日はスクリーンも客席も熱かった…!)

  • 3月25日(月)の第728回無声映画鑑賞会では漫画映画『海の水はなぜからい』(昭和10年)も初めて活弁します。これまで度々、活弁させていただいた切り紙アニメの名手・村田安司さんの作品です。そこで、村田安司さんについて調べ直してみると、忘れてしまっていたことも多く…改めて面白いです。

    村田は、私の活弁デビュー作、漫画映画『日本一の桃太郎』(昭和3年)を作った山本早苗さんと幼なじみで、山本より2歳年上です。がしかし、アニメ製作法の肝心なところは教えてもらえませんでした。山本の性格が悪いわけではなく(!)まだアニメーターという職業が確立されておらず、それぞれが独自の方法で漫画映画を生みだすのが普通でした。

    横浜生まれの村田は大正12年、関東大震災の年、まだ震災の傷が癒えぬ中、横浜シネマ商会へ入社。タイトル書きの仕事をしつつ、海外のアニメ作品に興味を持ちました。横浜シネマの顧問だった(顧問格だったという資料もアリ)青地忠三さんの助言を得てアニメーションの研究を始めます。村田は自力でコマ撮りであることを突き止めます(←え?ここから?!)そしてこれが大きな功績だと思いますが、効率化をはかるため、背景と登場人物を分離させる「切り抜き」を思いつきます。その切り紙技術が素晴らしく、滑らかな動きはまさに名人です。

    とはいえ、一枚ずつ撮影するのはあまりにもたいへん。モーターを使用し、電動装置でボタンを押してシャッターを動かせる装置を映画機械メーカーに作らせたことがさらに作業能率アップにつながりました。漫画映画に限らず無声映画は多くが消失してしまっているのがまことに残念なのですが、国立映画アーカイブの日本アニメーション映画クラシックス内のインターネット公開作品で、作家ごとの作品数も村田は群を抜いています。

    と、村田ばかりに注目しがちですが、ほぼ全ての作品で脚色や脚本・原作として村田とタッグを組んだのが、先ほどもご紹介した青地忠三です。村田より11歳年上で、教職から教育映画の世界に入り、村田をアニメの世界に導きました。青地の影響だけでなく、当時の漫画映画は教訓的・教育的だったそうです。しかし、その無理やりなこじつけや、とってつけたような格言の字幕がシュールで、そこに弁士のツッコミが入ればなおのこと、現代の観客も大いに楽しむことができます。

    今回『海の水はなぜからい』のネタおろしを立候補したのは、昨年、坂本頼光弁士が独演会で、鮮やかな切り口で会場の爆笑をさらっていたからです。私が真似しても同じようにはできないし…でも、台本を考えようとしても坂本君の台詞回しが頭から離れないしで、苦戦しました。ところが、今回改めて調べものをしたお蔭でとある資料に行きつき、私ならではの活弁はこれだ!とピラめいたら、登場人物が勝手に(?)しゃべってくれるようになり、悩み続けた数週間が嘘のように1日で第1稿を書きあげることができました。無声映画観賞会は第二部で澤登翠先生が絶対に素晴らしい活弁でしめてくださるのと、そして今回は山城秀之弁士もご登場なので、私はいつも安心して飛び道具を出してしまいます?!

    本日は青地・村田コンビ作品のご参考までに、おもちゃ映画ミュージアム所蔵の『お伽のお爺さん』に私が活弁と音楽を担当した動画をはりつけます。「製作年不詳」となっていますが、こちら本当は『タヌ吉のお話』で青地・村田コンビの作品であるという推理については過去のブログをご参照くださいませ。



  • 4月29日(月・祝)『山崎バニラの活弁大絵巻 in ちとせ北ガス文化ホール(千歳市民文化センター)中ホール にて。チラシの裏も素敵です。チケット発売中です!

    3月25日(月)の第728回無声映画鑑賞会、4月29日の千歳市公演、6月2日(日)の山崎バニラの活弁大絵巻 in ゆめりあ 2019~勇者のアイテム、全公演で活弁するのが『忍術千一夜』(1939年・昭和14年、大都映画)。松方弘樹さん、目黒祐樹さんのご両親、若き日の近衛十四郎・水川八重子がご出演。

    水川八重子は先日ご紹介した大都映画の河合徳三郎社長の娘・女優の三城輝子の友人だったため、すんなりデビューできたそうです。

    近衛十四郎は女性や子供にアイドル的人気がありましたが、昭和11年に入隊、本作は昭和14年に映画界に復帰したばかりの作品だったようです。2年後、昭和16年にご結婚。

    大都映画が大映になった際には参加せず、ご夫婦で一座を組んで10年に渡り地方巡業に出ます。戦争中の特殊な事情もあったようです。近衛十四郎は再び召集を受け、敗戦により復員、映画界に復帰、テレビでも大活躍するようになります。近衛十四郎の映画カムバックを機に水川八重子は女優を引退、水川八重子が58歳で亡くなった翌年に、近衛十四郎も63歳で亡くなるという、たいへんに絆の強いご夫婦だったようです。

    『品川隆二と近衛十四郎 近衛十四郎と品川隆二』(2007年、ワイズ出版)には近衛十四郎の立ち回りがいかに素晴らしかったかということも書かれています。大都映画作品はB級感が売りでもありますが、近衛十四郎の殺陣のシーンになりますと、「この痛快特撮忍術映画で、こんなに素晴らしい立ち回りをみることができるとは!」という掘り出し物的喜びを味わっていただくことができます。

    日本初の映画スター・尾上松之助の歌舞伎的様式美とも違い、現代のリアルを追求する殺陣とも違う、観客をワクワクさせてくれる大立ち回りです。弁士としては黙っていようか、しゃべろうか、悩みどころです。

  • 3月25日の第728回無声映画観賞会では、15年振りくらいに『忍術千一夜』(1939年、大都映画)を活弁いたします。松方弘樹さん、目黒祐樹さんのご両親、若き日の近衛十四郎・水川八重子がご出演。

    『幻のB級!大都映画がゆく』本庄慧一郎著(2009年、集英社)を『弥次喜多 岡崎猫退治』の活弁以来、楽しく読み直しました。そして今回は本書の参考文献に出ていた『巣鴨撮影所物語―天活・国活・河合・大都を駆け抜けた映画人たち』渡邉武男著(2009年、西田書店)もたいへん興味深く読みました。

    大都映画の前身である河合映画を作った、全身彫り物だらけ(!)の河合徳三郎社長のワンマンぶりがとにかくすごい…!社長の前でオナラをしてしまった大物俳優は退社を命じられ、映画化の原作料なんてなんのその、映画業の傍ら政治家に転身した際には試写室に所員を集めて演説のリハーサル、よその撮影所に移籍希望の俳優には子分たちがピストルやナイフで脅したり実際に…これ以上は書くのも恐ろしい…!今ではとても許されないその豪快さで、年100本もの量産体制を確立していったのです。

    そんな大都映画から生まれたのが痛快B級特撮忍術映画『忍術千一夜』。撮影所の雰囲気も伝わるような豪快な台本が書けたら…なんて思っております。なので、本日の偉そうな写真はご容赦くださいませ。一応、鑑賞会のチラシを持っています。

  • ルビッチ・タッチ』 ハーマン・G・ワインバーグ著/宮本高晴訳(2015年、国書刊行会)を読みました。『結婚哲学』や『ウィンダミア夫人の扇』、また先日ご紹介した『花嫁人形』など多くの無声映画、そしてトーキー時代に入っても名作を残した巨匠エルンスト・ルビッチ監督。

    その特徴的な作風は「ルビッチ・タッチ」と呼ばれました。「ルビッチ・タッチ」を一言でご説明するのが難しく、本書の中からヒントになりそうな箇所をまとめてみます。

    ●ほのめかしの名手
    ●“ギャグ”のそのひとつの変型
    ●スラップスティックやバイオレンスに頼らない
    ●独立した笑いのネタではなく、ストーリーと分かちがたいもの
    ●チャップリンがコメディのきらめきをもつドラマを作り上げたのに対して、ルビッチはドラマのきらめきをもつコメディを作り上げた
    ●主導権を握るのは主に女性
    ●好色は罪ではなく魅力であって、浮気は病いではなくほんの出来心
    ●誰の目にも明らかな故に、間接的に笑いを生みだす磨き抜かれた演出法

    なんだかとても面白そうですよね。いつかルビッチ作品に挑戦できることになったら、このメモを読み返そうと思います。ちなみに私は過日のブログで「大人の香り漂う喜劇」と評しました。

    全536ページ、分厚い本を持って出張しました。さらにこの日は娘が保育園にぬいぐるみも連れて行くと言ってゆずりませんでした。保育園にそのまま預けるわけにいかず、分厚い本だけでなく、ぬいぐるみも私と一緒に新幹線に乗り込みました(笑)

    写真は先日のRakuten Evangelist Party 2019で、ルビッチ・タッチ風のポーズ?
    朝日新聞「私の好きな新書」の記事が「好書好日」にも掲載され、ご登録なしで無料でご覧いただけるようになりました。

  • 今朝の朝日新聞(全国版)「私の好きな新書」コーナーにインタビューを掲載していただきました。ウェブでもご覧いただけます。宮城県白石市の碧水園に取材にいらしていただきました。

    私が選んだのは『映画館と観客の文化史』加藤幹郎著(中公新書)。12年前につけた付箋だらけです。今回、久しぶりに本書を読み、改めて勉強になりました。そして、この本にたどり着けた当時の自分に刺激を受けました。

    と言いますのは、今は、無声映画の台本作りや前説ネタ探しのため、直球の資料を読むことで精一杯。しかし、かつてはこのような網羅的資料も読んでいたのだなぁ…と。

    周防正行監督の最新作『カツベン!』(今年12月公開予定)のロケに参加してみて、改めて、当時の映画館を忠実に再現してセットを組んでくださったのだと実感しました。

    著者の加藤幹郎先生はあとがきで、続編への意欲を示してくださっています。能楽堂やシネコン、劇場で活動する現代の弾き語り弁士の上映形態もいつか分析していただけるよう、これからも頑張ります。

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