リリアン・ギッシュ「風」
先日NHKとEテレで放送された視点・論点「無声映画・活弁士の今」。
原稿が公開されましたこちら。
オンデマンドはこちら(2月12日まで有料配信)です。
昨日は「トーキョーノーザンライツフェスティバル2014」のイベント「北欧からの贈り物~生演奏で楽しむサイレント映画の世界」を観てきました。1928年封切り『風』をサイレント映画ピアニスト・柳下美恵さんの即興演奏で。グランドピアノの蓋を開けた内部にある弦をはじき、風の音を表現していました。
゛スウェーデン映画の父゛と呼ばれるヴィクトル・シェストレム監督がアメリカに招かれてとった作品。主演は薄幸なヒロインを演じさせたら右に出るものはいないリリアン・ギッシュ。本作でも十代くらいに見えるけど、35歳の大スターとなっており、スタッフや共演者も選べる立場にあったのだとか。
そのリリアンが惚れ込んだ原作は結末で全員不幸になりますが、映画会社の意向でハッピーエンドのメロドラマになりました。本作のもう一つの主人公は風で、49℃の灼熱のカリフォルニアで8台のプロペラ機で強風を起こしながらの撮影。生活が成り立たないと思われるほど始終風が吹きまくっており、リリアンにとっても人生で最悪の現場だったそうです。
恐らくリリアンにとって最後の無声映画出演だったのだはないかとのことで、自身の過去作品へのオマージュの要素も感じられたと柳下さんの深い分析。またリリアンは
「本作はどんなにグリフィスが撮りたかっただろう」
と思いながら演じたと回想しているそうです。リリアンと言えば、゛映画の父゛と呼ばれるD.W.グリフィス監督と組んだ代表作が目白押し。しかし、トーキー映画への移行を目前にグリフィスは凋落し、やがてアルコール中毒になります。ちなみに『風』はリリアンがグリフィスのもとを去ってから7、8作目くらいの作品ではないかとのことでした。
っと、とても勉強になるアフター・トークショーもついていました。本作は国内未ソフト化なので、私も初鑑賞、昨日は貴重な機会となりました。
※トークショー司会の雨宮さんがコメントでご丁寧に訂正してくださりましたので、本文中のリリアン・ギッシュの年齢を訂正いたしました。つまり、私とほぼ同じ年であの若さ?!
2014年2月3日
コメント
TOKYO KID 紳士(物書き) : 2014年2月3日
最近ボブで金髪のファッションをした娘(こ)を見かけたが、なんかしっくりこないというよりもどうしてもセンスを感じられない(笑)娘っこだった、なぜ眉毛黒いままにしてしまうのか、が疑問になる(笑)バニラちゃんみたいに着物でもしっくりくる娘(こ)のセンスを見習ってほしいが、真似しても真似れるセンスじゃないんだなと再確認した(笑)
トキメィキボー : 2014年2月3日
ホームページみてきました、たのしそうなイベントですねぇ~白い花びら、観たかったです(^^♪ …昨日は仕事帰り東京国際フォーラムで研修会でした(-.-)
TAKAじい : 2014年2月3日
おネェ「節分と接吻て響きがにてるわ〜」 お兄ぃ「好きな人とウチん中で豆まきしたらチューできんじゃね?」 おネェは外、お兄ぃはウチみたいな感じで節分おめでたい! おめでたい自分は東北東に向かってアホウ巻き食べます。バニラさん、ますますエネル・ギッシュに活動されて下さい!
ジョー : 2014年2月7日
「スクリーン」や「ロードショー」を読み始めた厨房の頃に、リリアン・ギッシュの存在を知って、なんで昔の人なのにこんなにカワイイんだ?と衝撃を受けました!あぶらギッシュなオッサンになった今でも改めてスクリーンで観るとマジで萌えますなぁ。。柳下美恵さんのピアノ伴奏で観た『港の日本娘』の井上雪子さんとか時代を超えてカワイイ女優さんに興味津々の今日この頃w
雨宮真由美 : 2014年2月3日
バニラ様 昨日は『風』を観にいらしていただき、ありがとうございました。 映画とトーク、両方楽しんでいただけたようで、何より嬉しいです。 映画は、リリアン・ギッシュの輝くばかりの存在感と吹き荒れる風の競演、といった趣の傑作で したが…トークで私、間違った事を言ってしまいました。 「風」の時、リリアンは32歳だった、と言ってしまったのですが、正しくは「35歳」!でした。 32歳でもかなりビックリされていた方が多かったですが、実は35歳だったという…。 間違った情報を流してしまって、申し訳ありませんでした。 また、映画を観にいらして下さい。バニラさんのお仕事も楽しみにしております。