スクラップ・アンド・ビルド

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先日、フジテレビで放送された『タイプライターズ~物書きの世界~』で私が内容をご紹介しました芥川賞受賞作『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介著。話題の本なので、ちょっと検索していただければ内容はだいたいわかります。それだけに、こんなに素敵な読後感を得られるとは思わなかった!というのが、実際に読んだ私の感想。

「早く死にたい」というのが口癖の祖父の願いをかなえるため、徹底的に介護をして軟弱な体にしてやろうと作戦を立てる転職活動中の孫が主人公。孫は祖父の姿を見て、自分はいつまでも元気でいたいと一生懸命、筋トレを始めます。一人称で書かれた文体はおじいさんをバカにしたような表現ばかりですが、孫はおじいさんのことで頭がいっぱい。

おじいさんが経験した戦争のことを知ろうと映画を借りるまでするのだけど、その描写は美談としては描かれません。でも読者である私たちは、主人公は本当はおじいさんに対して愛情があるのに気付いているというか、読者である私たちも主人公と一緒に徐々におじいさんがにくめなくなるというか、いや、そもそも愛情があるから死ぬお手伝いをしているわけで…やはりそんなハートウォーミングな話でもありません。

面白いのは実際に介護職についている主人公の友人の話。彼曰く、介護職は「モテる男にしか長く務まらない仕事」なのだそうです。理由は是非小説を読んでいただくとして、初めて聞く説でありながら私の周りを見渡しても確かにそうです。先日の放送で著者の羽田圭介さんの人となりも知ったうえで読むとますます面白いですよ。

2015年10月7日

コメント

TAKAじい2015年10月8日

蜘蛛の糸や羅生門・・・貴方も貴方の小説も大好きよ!こんばんは、龍之介の女、芥川龍のスケです。。。テレビで羽田圭介さんがオペラ歌手みたいに歌ってました。自分はなるべくなら要介護老人にならないように毎日1時間くらい歩くようにしています。

しとろん2015年10月8日

直接関係の無い話で恐縮ですが、昨日 YouTube で台湾のドラマを観ていて、浮気した旦那を奥さんが懲らしめたら逆に反撃されて離婚に追い込まれるみたいな下世話なストーリーなのに、ぐいぐい引き込まれて、結局全話朝まで観てしまった(!) でも華流にはありがちな、観後感はすこぶる悪いです。

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