関東大震災と無声映画

活弁を担当いたしました気象庁の長周期地震動説明ビデオがYouTubeでもご覧いただけるようになりました。今日は防災の日。大正12年、1923年の9月1日に発生した関東大震災、震災から間もなく100年ということで、国立映画アーカイブにより、関東大震災映像デジタルアーカイブが開設されました。

無声映画の時代背景を語るうえで、関東大震災はしばしば大きな影響を与えています。先日、こうとうキッズシネマフェスティバル@古石場文化センターで活弁した小津安二郎監督『大人の見る絵本 生れてはみたけれど』は1932年、昭和7年の封切りで、震災の9年後ですが、本作にも関東大震災の影響が見られます。

物語は主人公一家の引っ越しシーンから始まります。やがて一家は東京市内(当時は東京都ではなく東京市でした)の麻布から郊外に引越してきたことがわかります。先に引越してきていた会社の上司とお近づきになるためです。震災により壊滅的な被害を受けた東京を離れ、富裕層の多くは郊外に引越していたのです。

しかし都内の職場に通うのは遠いので、主人公一家の父親は上司の自家用車に乗せてもらっていることが子供同士で波紋を呼ぶというわけです。今回の情報も『それとは違う小津安二郎』(高橋行徳著/鳥影社)から仕入れました。上司が住んでいるテニスコート付きの洋館、主人公一家が住む和洋折衷の文化住宅、各家屋の分析も非常に興味深かったです。

他の作品でも前説で関東大震災を語ることが多く、その度に防災について気を引き締めます。

サイレント映画の旅『陽気な巴里っ子』 
9月6日(月)18:30開演 (18:00開場)
■会場:壱岐坂ボンクラージュ 
■演目:エルンスト・ルビッチ監督『陽気な巴里っ子』(喜劇映画研究会所蔵・1926年米国)
■出演:山崎バニラ(活弁・ピアノ演奏)/新野敏也(解説)

関東大震災と無声映画” に対して1件のコメントがあります。

  1. TAKAじい より:

    地理のテスト問題:地図上で佐賀市を探しなさい。。。関東大震災といえばよく浅草12階が崩れた映像や火災を目にしますがとても怖いです。昔、マンションの高層階に住んでいたことがあって地震のたびに浴槽の水が音を立てて揺れてました。

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