『おもいで 未来』萩野正昭著

電子書籍のパイオニア・萩野正昭さんの新著『おもいで 未来』を拝読しました。萩野さんに関しましてはあわせて『電子書籍奮戦記』などもお読みいただくのもお勧めです。

『おもいで 未来』はタイトルの通り、萩野さんの幼少期からのエピソードも多く、終戦の翌年に生まれた世代が歩んできた時代の空気感もとてもよく伝わります。萩野さんが中学時代は戦後のベビーブームで一学年11クラスもあり、途中で近所に新しく中学ができ、転校するか否かの各ご家庭のたいへんなご決断を特に興味深く読みました。

私はメディアで出身中学名まではお話した記憶がないのですが、インターネットに卒業生として掲載していただいているのでお話すると、この11クラスもあった公立中学が私の出身校なので、萩野さんは先輩で、つづられているのは母校の歴史でもあります。

まだパソコンも一般的ではなかった30年以上も前に、電子書籍の事業を始めた萩野さん。前職は教育映画業界。電子書籍の日本オリジナル作品で最初に手掛けたのは『The Complete OZU』(1994!)『小津安二郎の美学映画の中の日本』本文に合わせ、映画のシーンがリンクされていたそうです!

萩野さんは早稲田大学法学部のご卒業で、先日の大隈講堂活弁公演にご来場くださりました。

【English】I recently read the new book by Masaaki Hagino, a pioneer of digital publishing in Japan.

【Español】Recientemente leí el nuevo libro de Masaaki Hagino, un pionero de la edición digital en Japón.

『おもいで 未来』萩野正昭著” に対して4件のコメントがあります。

  1. 萩野 正昭 より:

    拙著が取り上げられたことを感謝と驚きで読ませていただきました。若くして映画の現場で働きました。そこで、映画と本が一緒になる道はないのかと思ったのです。ちょうどパイオニアがレーザーディスクを開始した時(1981年)そっちへ移りました。ただ映像が流れるだけでなく、ストップも一コマ送りも、戻りもできるメディアだったからです。しかし、作るのに高価な設備が必要でした。誰もができることじゃなかった。やがてパーソナルコンピュータのマッキントッシュで、自分の手で本と映像をミックスできるような夢が生まれてきました。そこから何年経ったのでしょう……。ああだ、こうだ、思い悩んで79歳となり、書かれたお話です。

    1. 山崎バニラ より:

      なんと、萩野正昭さまご本人からコメントありがとうございました!多くの学びをいただきました。

  2. TAKAじい より:

    小津安二郎監督は映画界の魔法使い・・・まさに「小津の魔法使い」でありますなぁ。。。思春期を過ごした中学時代、母校が木造から鉄筋コンクリート造りになりました。木造の学校のにおいって独特のものがありましたが新しい校舎にもワクワクしたものです。未来といえば筒井康隆さんの短編集「にぎやかな未来」も面白かったです。

    1. 山崎バニラ より:

      TAKAじいさんもいつもありがとうございます!

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