こども映画館洋画篇
国立映画アーカイブ「こども映画館」最終日はキャンセル待ちになるほどの大盛況、ありがとうございました!リハーサル後に国立映画アーカイブやマツダ映画社の皆様と記念写真。今回、キュレーターを務めてくださったのは土居由美さんでした。
上映後は展示室の見学、そして抽選で当たったお子さん達は映写室見学も。映写室見学のくじびき箱が新調されたということで、私も一緒に写真を撮らせていただきました。
大きなスクリーンで映画を見るのが初めてのお子様も多かったと思いますが、それがバスター・キートン作品なんて、なんて素敵なことでしょう!客席にいた方が教えてくださったのですが、気乗りしないまま連れて来られたのか、最初はふてくされていた男の子がだんだん映画にのめり込んで、笑いが止まらなくなっていったそうです…!
『キートンの蒸気船』はもう何度も活弁したことがあるのですが、一般的な上映時間は24コマ再生で68分です。しかし、国立映画アーカイブが所蔵しているものは24コマ再生で71分。この3分の差を甘く見ていた弾き語り弁士はたいへんな目に…。はっきり3分間の別のシーンがあるわけでなく、ところどころ、シーンがゆっくり目だったり、中間字幕が出ている時間が長めだったり、かと思えば68分版より短くなっていると思われるシーンもあり、つまり別バージョンのフィルムのようです。
画面の隅にうつっているエキストラに私が活弁でツッコミを入れていたシーンは隅の人がいなくなっていた場面もあり、それは恐らく修復の過程でトリミングされたのでしょう。そんなこんなで当初は、いつもの台本に変更箇所を付箋を貼って済ませようと思っていたのですが、かなりややこしく、かと言って該当箇所を書き直してしまうと、68分版の再演の際に困ります…。
ということで、全てを作り直すことを決断。これを機に楽譜番号を整理したら173番まで…!今後の書き直しのために台詞もデータ化。公演前2日間で3時間睡眠という自分史上、一番の寝不足で本番へ、なのに声は絶好調。会場の大爆笑に助けていただきながら、変更箇所を追いかけるのに必死で途中給水する余裕もなく、71分間、弾いて、語って、歌い倒しました。
71分版をじっくり鑑賞することができたお蔭で、今まで気づかなかった他の登場人物の面白い動きに気付けたり、勢いで押し通してしまっていた箇所の完成度を上げることができたので、この経験は今後、いつもの68分版の再演にも大いに役立つと思います。
お子様向けに台本を書くべきでしたが、喜劇映画研究会代表の新野敏也さんに教えていただいた玄人向け解説も台本に盛り込んでおいたら、国立映画アーカイブの皆様や、映画通の保護者様から「へ~」と声が上がっていたそうで、大満足です。
明日、8月5日はいよいよ『山崎バニラの活弁大絵巻2019 ~陽気な仇討ち~』のチケット発売開始です!こちらもメインはキートン作品ですぞ!!