映画『バビロン』鑑賞②
3時間の超大作映画『バビロン』は一日では語り尽くせない。本作では『ラ・シオタ駅への列車の到着』(1895)もちらりと引用されています。3月18日(土)「山崎バニラの活弁大絵巻 in 川根本町」でご覧いただく『活動写真 いまむかし』ではより詳しく『列車の到着』についてご紹介します!
CGがなかった無声映画時代、出演者やスタッフさんは無事なのだろうか?と心配になることがありますが、『バビロン』を観るとますます心配になります…。
電話の相手としてだけ登場する無声映画時代のスターも多くいます。ブラット・ピット演じる大スターがギャラ交渉で電話するのはグロリア・スワンソン。無声映画黎明期に水着美人からのし上がり、『サンセット大通り』(1950)で忘れ去られた女優を怪演しました。
ブラット・ピットの役柄のモデルはジョン・ギルバートで、『肉体と悪魔』(1926)で共演したグレタ・ガルボとは実生活でも恋愛関係にあったそうです。なので、電話の相手がガルボだと知った奥さんは余計に怒るのですが、人間関係の説明はありません…!
無声映画特有の中間字幕(スクリーン中央に大きく出る字幕)の撮影風景なども面白い。モノクロ・フィルムの染色をなんの説明もなくスタイリッシュに表現するのもすごい。
トーキー映画時代になり、マフィアが企画の売り込みに見世物小屋を案内する一見、唐突なシーン。1932年公開後、上映禁止になった国もある『フリークス』を暗示しているのだと私は解釈しました。
超大作でありつつ、たいへんマニアックで、私は各シーンを振り返っては楽しんでいます。『バビロン』で無声映画にご興味を持ってくださった方は活弁付き無声映画上映にも是非お運びください☆
武藤さんが飲んでるコーヒー缶はいつも無糖です。。。自分ももし『列車の到着』を当時見てたら列車にひかれてしまう~って思っただろうなぁ。