『カツベン!』声色弁士役

『カツベン!』白雲座のセットに貼られているポスター、弁士の名前をよく見てみると…
片岡逸郎=片岡一郎
坂本来光=坂本頼光
山崎甘味=山崎バニラ
山内七子=山内菜々子
…と、私たちにも役名があったのです…!

なぜ4名の名前が並んでいるかと言いますと、私たちは一人で全役を演じ分ける弁士ではなく、それぞれが役を担当する声色活弁をしたからです。私が自分の台詞を倍に増やしたいきさつはこちらをご覧ください(笑)

時代劇の前に作られていた、旧劇というジャンルの映画には声色弁士がつき、スクリーンの上手下手から男性弁士、女性弁士、鳴り物も入って、まるでお芝居のようでした。登場人物のクローズアップや、移動撮影、字幕がほとんどないのは撮影方法の未熟さではなく、声色弁士の語りのリズムを崩さないためだったのです。

先週、発行されたばかりの『活動弁士の映画史 映画伝来からデジタルまで』高槻真樹著によると声色弁士時代、日本映画は「弁士によって乗っ取られ」ていたと知識階級のファンたちが怒っていたそうです。高槻さんの文章はこういうところが小気味よく資料でありながら笑ってしまいます。「声色弁士を排した映画企画が弁士の妨害によって潰される」事件もあったそうです…!本書には私のインタビューも掲載していただいておりますので後日またご紹介いたします。

私は映画『カツベン!』で声色活弁に初めて挑戦しました。すぐ隣に皆の存在を感じながら、声優の経験が確実に役に立ったけれども、声優とはまた違う、不思議な感覚でした。ほぼ同期、同年代の一郎弁士、頼光弁士と私が台詞の間合いを相談している様子などは活弁界にとって大きな出来事だなぁ…と心の中で感動していました。

ぴあ映画初日満足度ランキング『カツベン!』堂々の第一位!是非とも、劇場でご覧くださいませ。

『カツベン!』声色弁士役” に対して2件のコメントがあります。

  1. (本物の)昭和生まれ より:

    ♪そして僕らは、もう二度と戦争を始めないだろう♪ メリークリスマス!

  2. TAKAじい より:

    わたし大石内蔵助の女です。おおいしくらのスケです。。。白雲座のポスターに役名で載ってたなんて全然気づきませんでした。山崎甘味・・・甘味料みたいで感無量です。

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