吸血鬼ノスフェラトゥ
最前線無声映画 第6弾『吸血鬼ノスフェラトゥ』 at 晴れたら空に豆まいて
弁士:片岡一郎
音楽:菊地成孔
司会・解説:アーロン・ジェロー
配信で視聴し、たいへん感銘を受けました。吸血鬼が伝染病のペストを運んでくる物語で、驚くほど今の時代にリンクしています。
作品中で病気の潜伏期間の話題があったり、医療崩壊も起こっています。本作は見たことがあるはずなのに、コロナ禍で見るとものすごいインパクトです。
最初は船で感染が広がるシーンも鬼気迫るものがあります。調査に入った船内で航海日誌を読み、ペストが持ち込まれたことを知った人々が「帰ってすぐに家の扉を閉めろ」と散り散りになるシーンでは、病気に対する無知も悲しいですし、吸血鬼を通して病気を擬人化している演出も興味深かったです。
これは一郎弁士が世相を意識してつけた台詞ではないかと思いますが、家族との別れもかなわない描写もされていました。
菊地さんの音楽がとにかく斬新でありながら、作品にすごく合っていました。弁士がいるのにボーカル入りの音楽を流すというのはなかなかできないことだと思います。機械音ならではの唐突かつ完全な音楽のカットアウトが恐ろしさを助長していました。
アフター・トークで菊地さんは「皆さんがどう思うかと思ってやってみた」とおっしゃっていたのも面白いアプローチで勉強になります。
今年の国立映画アーカイブ「こども映画館」でもなんと本作が、坂本頼光弁士の活弁と、湯浅ジョウイチさんと鈴木真紀子さんによる生演奏で上映されました。私はおうかがいできなかったのですが、たいへん芸術的なドイツ表現主義のホラー映画に対するお子様たちの反応も気になります…!
もし私が活弁したら不吉な前兆のシーンに登場する動物たちに台詞をつけてしまい、台無しにしそうです(汗)。このような時世でも、芸術にこんなに感動できたことがすごく嬉しく、勇気が湧いてきました。
主催者様より、こちらは現在のところ開催予定とご連絡いただきましたので、ご案内させてください。
こうとうキッズシネマフェスティバル
こどもが楽しい小津映画!山崎バニラの活弁大絵巻『生れてはみたけれど』
8月22日(日)15:00開演 江東区古石場文化センター
なぜか生姜にあたって内科に診療に行きました。「だってしょうがないじゃ内科」(えなりくん?)。。。映画「感染列島」を見たとき怖いなと思いつつもまさか現実にパンデミックが起こるなんて想像もしてませんでした。また人は体を「酷使」すると免疫力が低下して「黒死」病に対して抵抗できなくなる説があるとかないとか。