「映画タイムマシンvol.10」鑑賞
川崎市アートセンターにて「映画タイムマシン」サイレントプログラムを鑑賞してきました。弁士は大森くみこさん、ピアノ生演奏は柳下美恵さん。
『国士無双』(1932)は、先日の「活弁でGO!」で片岡一郎弁士も説明されたばかり。私も今年、名古屋と伊勢で弾き語り活弁してきました。坂本頼光弁士の活弁入りはAmazonプライムビデオでもご覧いただけます。くみこ弁士の活弁では初めて拝見。なるほど伊勢伊勢守は「西国随一」ということで、関西弁をおりまぜ、無声映画は本当に弁士によって違って面白いです。
『腰弁頑張れ』(1931)は、私が目下大注目中の松竹蒲田撮影所作品。巨匠・成瀬巳喜男監督の現存する最古の作品なのだそうです。お金に苦労しながらも暖かい家族の物語で、小津安二郎監督『生れてはみたけれど』や、斎藤寅次郎監督『子宝騒動』とジャンルが似ている蒲田調なのですが、そこにアバンギャルドでスタイリッシュなカメラワークなど、成瀬監督風味がしっかり加わっていました。
面白いのが、裕福な家庭の子、貧しい家庭の子と、子役の配役が『生れてはみたけれど』(1933)と逆なこと。同じ撮影所の作品なので他にも『生れてはみたけれど』の子役たちがたくさんいました。そして斎藤寅次郎監督の奥様、浪花友子さんが母親役で登場しているのも見どころでした。
くみこ弁士は大阪の方なのに(?)ギャグシーンにつっこむだけでなく、つっこみどころをそのままに温かく余韻を残す、弁士自身のお人柄の現れる手法がもはやテクニックとして昇華されていて、本日もたくさん勉強させていただきました。柳下さんの演奏はもちろん、くみこ弁士とのかけあいのトークもたいへん楽しかったです。
川崎市アートセンターにもちゃっかり、9月10日(土)『山崎バニラの「蒲田モダンことはじめ」』の置きチラシお願いしてきました☆
化学のテストで当てずっぽうに硝酸と書いて正解する勝算は何パーセントくらいなんだろう。。。いつか全国の活弁士オールスターズで東西に分かれて活弁日本シリーズやって下さい ⸜(๑’ᵕ’๑)⸝