『虚栄は地獄』に関する宿題
先日の城源寺公演の様子を神戸映画資料館の安井喜雄館長が撮影していてくださりました。手元明かりの土台代わりの空き箱を隠して下さった、春風亭弁橋さんの手ぬぐいが良い感じです。
『少年美談 清き心』を制作した社会教育映画研究所を調べるため、『「命一コマ」映画監督 内田吐夢の全貌』をヒントに、1986年発行の『吐夢がゆく』を入手。すると本書では私が十八番にしている『虚栄は地獄』も古林社会教育映画社作品となっていたと先日書きました。
その記事になんと、『「命一コマ」映画監督 内田吐夢の全貌』の編集者で、壱岐坂ボンクラージュの藤井秀男店長が直々にFacebookページのコメント上でアドバイスをくださり、1992年発行の『フィルムセンター90 内田吐夢監督特集』を入手。
本書では『虚栄は地獄』は朝日キネマ合名社制作になっており、本作に関しては「『吐夢がゆく』(中略)との事実関係は不詳」とありました。他の文献でも朝日キネマ合名社制作と記載されていることが多かったです。
一方、『フィルムセンター90 内田吐夢監督特集』の「フィルモグラフィ―および作品に関する文献」には『少年美談 清き心』のタイトルが見当たりません。それもそのはず、本書は1992年発行ですが、『少年美談 清き心』は1995年に大阪のプラネット映画資料図書館により発掘されました。
フィルモグラフィを眺めると、内田吐夢監督の無声映画時代の作品の多くが現存していないことが惜しまれる楽しそうな作品ばかり。これからも発見されることを願ってやみません。
幻の作品が里見さんによって発見されたら「里見発見伝」って言われたりして。。。活弁のために日々たゆまぬ努力をしてるバニラさんはえらいです。「少年美談 清き心」に道祖神が所々見えました。昔の田舎にはよくあったものです。今はどうなんでしょうね。