小津安二郎ネットワーク会報
全国小津安二郎ネットワーク、通称「小津ネット」の会員様向けニュースレターvol.113に寄稿いたしました。タイトルはずばり『活弁士になってはみたけれど』。
7月の無声映画鑑賞会で小津安二郎監督『大学は出たけれど』の活弁をした際の前説で、オープニング映像に写り込んでいる白木屋百貨店について熱く語ったことからご依頼をいただきました。
専門冊子なので、文字数もかなりいただき、私も文献を元に当時の就職率について書いたのですが、さらに裏取りを進めていただき、その過程も共有していただき、たいへん勉強になりました。この調査のお蔭で11月14日(土)14:00「山崎バニラの活弁大絵巻 in スクエア荏原」では修正した台本で『大学は出たけれど』をお届けします。
原稿には図版も必要とのことで、『大学は出たけれど』のポスターを私がさらに真似して描いた主演の高田稔・田中絹代コンビのイラストと、パロディーで高田稔・山崎バニラのイラストに差し替えたバージョン(笑)などを掲載しました。どちらも自作動画『活動写真いまむかし』内のもので、本作はスクエア荏原はじめ、各地の独演会で披露しております。
同じ号になんと、「名画座手帳」や「名画座かんぺ」を発行している、のむみちさんのコラムも。名女優・飯田蝶子さんへの愛が爆発している…!飯田蝶子さんも『大学は出たけれど』に下宿のおかみ役でご出演です。この飯田蝶子さんが私も大好きで、田中絹代さん一人のシーンでありながら、画面外からおかみが話しかけているという設定をオリジナルで作り、スクリーンにうつっていない下宿のおかみの声で、スクリーン内の絹代さんにあれこれ話しかけ、勝手に蝶子さんの出番を増やしました!!活弁ってこんなこともできちゃいます?!
写真は8月の無声映画鑑賞会の会場となった古石場文化センター内にある小津安二郎紹介展示コーナー前で。映画『カツベン!』の周防正行監督と、俳優の竹中直人さんのサインとお写真もありました。9月にNHKで放送された『歴史秘話ヒストリア』の小津安二郎特集でもこちらの展示が紹介されていましたね。同番組では小津ネットの副会長・築山秀夫先生が度々ご出演でした。
渡りに船、波平にフネ(サザエさんはいつもほのぼの)。。。飯田蝶子さんは若大将シリーズや様々な作品で日本のおばあちゃんを演じていらしたのが印象深いです。